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  • 執筆者の写真鈴木誠一郎

「最も厳しいお客さま」に成りきる

普段、マーケティングという言葉を聞くと広告宣伝プロモーションとか、SNSでの集客手法とか、販促メディアミックス戦略等のイメージを連想しがちですが、例えば、メーカーが新商品を開発するプロセスで、経営幹部の方々を前にして新商品をプレゼンテーションすることがあるものです。 先日、まさにその現場をTVで見ました。アイリスオーヤマの新商品プレゼンテーションの「場」でした。ある新商品の開発担当者が、会長以下、関連部署等の社員数十人のいる階段状の大会議室でプレゼンをしているところでした。そこでは開発担当者に対して容赦ない質問や疑問等が矢継ぎ早にされていました。 それらの質問や疑問等は、ターゲットを意識した「お客さまの目線」に完全に立っているものばかりでした。これこそ「マーケティングの現場」だと思いました。会長以下の数十人の社員が、お客さまに成りきり、お客さま自身になって、プレゼンしている商品を見た時、触った時、試した時に、どう感じたか、どう思ったかを「成りきりディスカッション」していたところでした。 このような新商品のプレゼンは、商品やサービスを販売する全ての企業で必ず行われているものです。実際に市場へ販売開始してからの状況を大きく左右するものです。それだけに事前の商品吟味の「場」というのは大変重要な意味があります。 一方で、良く見かけるのはマーケティングというと、既に市場に投入後、販売開始後に、いかに消費者に自社商品やサービスの認知度を上げるか、ターゲットに売り込むか、販売促進をしていくかという戦術検討に多くの時間が注がれているような気がします。そこでは「お客さま目線」はすでにありません。売り手側の発想が優先します。 ピーター・ドラッカーは、マーケティングとは企業活動の「全領域」に関わるものであると言っています。お客さまが何を欲求しているのか、お客さまはなにを価値あるものとするのかを、徹頭徹尾、お客さまに則して考え行動する活動であり、企業活動の「全領域」にかかる活動がマーケティングであると述べています。 商品やサービスを買ってくれるかもしれない「お客さま」の立場になって、喜んで買ってくれるためには何が商品やサービスに必要なのか、欠けている視点はないか、ここを変えれば本当に買ってもらえそうか等を、真剣に討議し探っていく時間こそが、本来のマーケティングの肝になるのだと改めて思いました。


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