top of page
  • 執筆者の写真鈴木誠一郎

何から先に手を付ければいいのか? 課題の「優先順位」のつけ方

経営者の頭の中には、常に多くの解決しなければならない問題や課題が山積みです。ひとつ解決しても次の日には新たな課題が報告されてくるという状態にあります。

このように解決しなければならない課題が数多くある場合、どの課題からすぐに手を付けるべきでしょうか? 企業にとっても経営者にとっても「時間」こそ最も貴重なものです。より重要で緊急度の高い課題から手を付けなければなりませんね。これをはっきりさせるために、どのようにして優先順位を決めれば良いのでしょうか。


経営者が色々抱えている課題というのは、この優先順位が付けられることによって初めて解決すべき課題として意識し、課題解決という俎上に挙がってくるわけです。優先順位を付けるということは問題解決プロセスの中でも最初の入り口でもあり、且つ大変重要なポイントでもあります。

既にご存知かもしれませんが、簡単シンプルに抱えている課題の優先順位を付ける方法があります。通常は企業で活用されますが、何も企業にのみ使うものではありません。私たち自身が抱えている悩みや問題についても利用することができます。頭の中を整理整頓することにもなります。

とかく私たちはこの優先順位をつけることなしに行き当たりばったり手を付けてしまうことが多いものです。本来ならば早く手を付けなければならなかった課題が先送りされてしまい、ますます問題が大きくなってしまいかねません。方法は簡単です。実際におこなってみましょう。

まず始めにメモ用紙を用意してください。自分の中で気になっていることや解決したいと思っていることを次々に書いていきます。シンプルな言葉やキーワードでけっこうです。実はこの「文字化」するということが大変重要なことです。見える化できることで認識でき考えやすくなるからです。頭で考えているだけではすぐに消えてしまいますね。そして考えられる限りのことを次々に書いていきます。


次にコピー用紙等を用意して、縦軸には「重要度」という軸を直線で引き、横軸には「緊急度」という軸で直線を引きます。そして縦軸の上方向が「高い」、横軸の右方向が「高い」とします。すると4つのマトリクス(スペース)になりますね。

ここで、縦軸と横軸でできている4つのスペースの内、

・右上のスペース部分は「重要度が高く」且つ「緊急度も高い」課題が当てはまります。(第1象限)

・左上のスペース部分は「重要度が高く」且つ「緊急度が低い」課題が当てはまります。(第2象限)

・左下のスペース部分は「重要度は低い」且つ「緊急度も低い」課題が当てはまります。(第3象限)

・右下のスペース部分は「重要度は低い」且つ「緊急度は高い」課題が当てはまります。(第4象限)

次に、さきほどメモ用紙に書き込んだ気になることや解決したいことを、1つずつ4つのスペース部分の中に、それぞれがあてはまるように仕分け(書きこむ)していくのです。

どうでしょうか? すぐに仕分けができるでしょうか? 実をいうと、この4つに「分類」することがなかなか考え込んでしまう作業なのです。なぜなら、4つに分ける「基準」がご自分の中ではっきりしていないからです。


私たちは普段は漠然と頭の中にある課題を、その時の気分などで決めてしまうことが多いものです。その際、基準というものを意識していません。しかし洗い出した悩みや課題を4つに分類するとなると、それぞれどこに当てはまるのかという「基準」が、そこで初めて必要になってくるからです。

通常では誰でも頭の中には漠然とした準基準みたいなものを持ってはいます。知らず知らずのうちに人それぞれの持っている無意識の「価値観」が判断材料になっているからです。通常では、いちいち自分の「価値観」はこうだからこうなると考えることなしに決めてしまっているのです。

では「基準」というのはどのように考えれば良いのでしょうか。会社であれば「経営に与える影響度」で大中小の基準を設定して優先順位を考えてみることになります。個人の場合には、例えば、「ほっておくとヤバい順」とか、「喜んでくれる人が多い順」とか、「かかるお金が少ない順」・・等があるでしょう。つまり自分なりの基準を考えれば良いのです。

始めは、単に4つに仕分けしようということでしたが、だんだん大ごとになってきたと感じているのではないでしょうか。自分なりの「基準」というのはどうしたら決められるのでしょうか。

それは「自分は何を大切にしているのだろうか?」「何を重要と考えているのだろうか」ということですね。

一度、自分なりの「基準」によって、この4つのマトリクス(スペース)で考えておけば、次はもっと簡単に仕分けをすることができるようになります。やればやるほど短時間で明確に仕分けができるようになっていきます。頭の中にマトリクスができて優先順位を瞬時に判断することができるようになります。

さらに、仕分けした後での重要なポイントがあります。それは仕事に関することであっても、自分の人生に関することであっても重要なポイントは、左上の「重要度は高いが緊急度は低い課題」(第2象限)にいかに普段から取り組むかということです。この部分の課題に取り組むことは効率的な時間管理における基本原則といわれています。

「重要」ではあるが、現時点では「緊急ではない」という仕事や人生の事柄を、普段からコツコツと進めていくことが手遅れにならずに最終的に上手くいく秘訣ということですね。


私もまったくそうですが、とかく普段は右上の「重要で且つ緊急」(第1象限)のことと、右下の「重要ではないが緊急」(第4象限)のことにばかりに追われ時間を費やしています。今すぐには急がないことであっても「重要」なことに早く時間を使っていくことがやはり大切なのですね。

Comments


bottom of page