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■国内の自動車総保有台数及び車検実施台数の減少
今のところ自動車の保有台数は横ばいで推移していますが、今後は高齢化の影響を受けしだいに減少に転じていくものと思われます。
当然のことながら人口が減少していけばクルマを持つ人も減少します。クルマが減れば車検を取得する必要もないわけです。これも今後ジワジワと影響が出てくると思われます。自動車整備業界にとっては死活問題となってきます。
■一般整備業者における後継者問題
現時点においても多くの整備業者において経営者が高年齢化しています。しかし、なかなか後継者が見つからないという深刻な問題を抱えています。現時点においても約3割の整備業者では後継者がいないといわれています。後継者が見つからないとなれば自主廃業やM&Aが増加していくものと思われます。
■サービスメカニックの高齢化
日本自動車整備振興会連合会の「自動車分解整備業実態調査」によると、2019年度における自動車サービスメカニックの平均年齢(自家除く)は45.5歳ということです。
サービスメカニックの平均年齢は年々上昇していくことが予想されています。さらにサービスメカニックの数も年々減少しているという状況にあります。
そして追い打ちをかける形で、サービスメカニック志望者数の減少という事態も発生してきています。日本自動車整備振興会連合会の「自動車整備白書」によれば、2018年度の自動車大学校・整備専門学校の入学者数が学校全体の定員数1万2,674人に対して8,124人に留まり定員数の7割に及ばなかったことが報告されていました。そしてこのような傾向は続くものと思われます。
■クルマの電子化進展に伴うサービスメカニックの教育研修体制の構築
クルマに搭載されるECUは今後電子化の進展に合わせて数も増えていくものと思われます。ECUは高度な電子技術によって製造されていることから、その取扱いに関する専門知識や技術については高度技能が必要になってきます。
電子化の進展に合わせてサービスメカニック自身が、高度な専門知識や技能を身につけていかなければなりません。
そのための研修費用だけでも今後大きな額となるものと思われ、これまでのように各社が単独で研修を実施していくことは困難になっていくものと考えます。
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