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この体制のなかで、今後EVが中心となっていく自動車業界においては、さらに作業自体のシンプル化を推進していくことが可能になるのではないかと考えます。
それは例えば、EV車が故障や不具合発生等で自動車ディーラーに入庫するとスキャナーをクルマに接続する。そしてスキャナーが短時間で車両本体のECUをすべてチェックし、故障しているECUを抽出する。そのECUを丸ごとアッセンブリ交換してしまうことになるのではないかと思います。
ECUのような電子部品は人の手では修理ができないものであり、仮に修理するとしても余程の高度電子技術の知識と技能を持っていなければならないと思います。時間も工数も要してしまうことになり、万一、再修理にでもなったりすれば生産性も落ちてしまいます。したがって具合の悪くなった電子部品は丸ごと新品交換することになると思います。
一方、サービスメカニックも電子技術の加速度的な進展に際して、知識と技能の習熟が追い付かなくなってしまう事態も考えられます。これを単独で教育や研修でクリアしようとしれば、膨大な時間と費用が必要になるものと思われます。
今後の方向性としては、誰がやっても同じ効果が出るようなシステムに変わっていくものと考えます。つまり「早く、安く、正確に」修理が可能になる方向性に進んでいくものと思われます。
そして将来には、車検ルームのようなところにクルマを入れて、人がスタートボタンを押すと、AIロボットがスキャニングから部品交換やタイヤ交換まで全て行ってしまうようなことになるやもしれません。これから自動車整備分野も大きく変わっていくものと考えています。
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